夜ぐっすり眠るための科学
こんにちは。
昔から、「よく眠る子供は、しっかり育つ」と言われています。
実は、これは単なる迷信ではなくて、科学的にも裏付けがあります。
私たちの体は、睡眠中に細胞を修復し、免疫も強化し、脳の整理を行っていますが、このプロセスに欠かせないのがメラトニンと言うホルモンです。
このメラトニンには意外な一面があり、このホルモンはもともと抗酸化物質だったのです。
地球上に生命が誕生した約30億年前に、強い紫外線や活性酸素から身をまもるためバクテリアがメラトニンを作り出したのが始まりと言われています。
つまり、メラトニンは睡眠ホルモンである前に、抗酸化作用を持つ物質なのです。
さらに、メラトニンには免疫力を向上させる効果、そしてガンのリスクを低減させる効果を持つことがわかっています。
つまり不眠は、単なる生活の問題だけではなく、体の修復や病気予防の機会を失うことにもつながるということも意味しています。
では、睡眠中に体で何が起こっているのでしょうか?
第一に、起床中に体が受けたダメージを細胞が修復し、そして風邪や病気を予防するための免疫力を向上させています。
次に、睡眠時には情報を整理して記憶を定着させたり、成長ホルモンを分泌させて細胞の新陳代謝の促進や、筋肉・肌の修復も行っています。
加えて、老化や病気の原因となる酸化ストレスを軽減させるために、活性酸素も取り除いています。
この重要な役割を担っているメラトニンが不足すると、免疫力が低下し、老化の進行や、病気にかかりやすくなると言われています。
メラトニンは夜になると分泌量が増えて、眠気を誘うホルモンです。
と言っても、直接睡眠へと導いているのではなく、副交感神経を優位にすることで脈拍や血圧を低下させ、気持ちを落ち着かせてくれます。
つまり、体がリラックスすることで、私たちを眠りへと誘導してくれているのです。
メラトニンの抗酸化力は、ビタミンEの約2倍、グルタチオンの約5倍あります。
この抗酸化力によって、細胞の老化や病気の原因となる活性酸素を除去しています。
また、メラトニンはナチュラルキラー細胞(NK細胞)やT細胞、マクロファージなどの免疫細胞を活性化し、病原体と戦う力を高めることが研究で示されています。
「風邪をひいたら、よく寝なさい」と言うのは、メラトニンが免疫機能を強化してくれているからに他なりません。
近年の研究では、メラトニンが乳がん、前立腺がん、肺がん、大腸がんなどを抑制することが示されています。
そして、夜勤が多い人は、逆にがんのリスクが高くなることもわかっています。
その原因の1つが、メラトニンの分泌量の減少にあると考えられているのです。
生活習慣を見直すことで、メラトニンを増やすことが可能になります。
①1日15〜30分間、朝日を浴びることでサーカディアンリズムと呼ばれる体内時計がリセットされます。
それによって夜のメラトニン分泌がスムーズになり、自然な眠りにつくことができます。
②スマホ・パソコン画面からのブルーライトはメラトニンの分泌を抑制してしまうため、就寝1〜2時間前はそれらの使用を極力控えましょう。
③また、長時間の夜勤は、特に乳がんのリスクを約30%増加させるという研究結果があります。
対策としては、夜勤からの帰宅後は、すぐに暗い環境を作って睡眠をとることが重要です。
④メラトニンの材料となる栄養素を摂取することで、メラトニンの量を増やすことが可能です。
マグネシウムは、神経を鎮めて深い眠りを促す作用があり、リラックスミネラルとも呼ばれています。
不眠症の人には、マグネシウムが不足しがちな傾向があります。
マグネシウムが豊富な食品にはナッツ類、バナナ、海藻、緑黄色野菜などがあります。
トリプトファンにはメラトニンやセロトニンの原料となるアミノ酸で、良質な睡眠には不可欠な成分です。
大豆製品、乳製品、卵、バナナ、ナッツなどにトリプトファンが多く含まれています。
ビタミンB6は、トリプトファンをセロトニンに変換するのに必要な栄養素です。
ビタミンB6を多く含む食品には、鶏肉、マグロ、バナナ、ナッツなどが挙げられます。
また、鉄分の不足によって脳内の酸素供給が低下し、睡眠の質が低下することが研究によりわかっています。
特に、女性は鉄不足になりやすいため、レバー、赤身の肉、ほうれん草、ひじきなど鉄分が豊富な食品を積極的に摂ることがとても大切です。
最後に紹介するビタミンDは、メラトニンの合成を促し、睡眠の質を高めてくれます。
ビタミンDの血中濃度が低い人ほど、睡眠時間が短く、睡眠の質が低下することがわかっています。
適度な日光浴や魚類、キノコ類の摂取によってもビタミンDは体内で生成することができます。
眠ることは、最高の健康法です。
今日からできることを少しずつ取り入れ、ぐっすり眠れる体を作っていきましょう!
最後まで読んで頂きありがとうございます。
それでは、おやすみなさい。
