ビタミンB 1が不足した時に体内で起こる影響について

こんにちは。

今回は、脳と神経を保護するビタミンB1についての補足をしたいと思います。

ビタミンB1(チアミン)は、神経の正常な働きを維持するために不可欠な栄養素です。

末梢神経はもちろん、脳や脊髄などの中枢神経系の機能を支える上でも欠かすことができません。

ビタミンB1が不足すると、体内でどのような影響があるのでしょうか、その仕組みを詳しく解説していきます。

ビタミンB1の欠乏によって、体内のエネルギー代謝と神経系に深刻な影響が出ることが知られています。

まず、ビタミンB1が不足すると、エネルギー代謝において重要な役割を果たす酵素であるPDHの働きが低下します。

このPDH(ピルビン酸デヒドロゲナーゼ)は、私たちの細胞内でブドウ糖をエネルギーに変換する過程で欠かせない酵素ですが、その働きを補酵素として支えているのがビタミンB1です。

ところが、ビタミンB1が不足することでPDHの活性が低下し、ピルビン酸が十分にATP(エネルギー)に変換されなくなってしまいます。

ATPが減少すると、細胞の働きそのものが著しく低下します。

特に、エネルギーを大量に必要とする脳や神経細胞は、その影響が顕著に現れて神経機能の低下へとつながります。

そして、PDHの不活化によってATPの生成が低下すると、もう一つの大きな問題が発生します。

それが、脳内でのドーパミンの代謝がうまくいかなくなるという点です。

ドーパミンは、脳内の神経伝達物質の一つで、やる気や快感、集中力を高める働きを持っていますが、過剰に増えると脳に悪影響を及ぼす可能性があります。

通常であれば、増加したドーパミンを分解する酵素COMT(カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ)が働いて、ドーパミンを適切な量になるよう調整します。

ところが、ビタミンB1が不足してATP生成が滞ると、このCOMTの機能も低下してしまいます。

COMTはATPによって働く酵素ですが、エネルギーが不足すると、本来のドーパミンを分解する力が十分に働かなくなってしまうのです。

その結果、脳内にドーパミンが過剰に蓄積して、神経のバランスが崩れてしまうことになります。

COMTの機能低下により、ドーパミンが過剰に蓄積すると、脳や神経に様々な影響を及ぼすことがわかっています。

ドーパミンが脳内で過剰になると、神経の興奮が強まって、精神活動に過敏な反応を引き起こします。

その結果、現実との区別がつきにくくなり、幻覚や妄想といった精神異常を引き起こすことがあります。

また、ドーパミンが増えすぎるとアドレナリンも増加します。

アドレナリンは「酸化ストレス」に非常に弱く、代謝されることでアドレノクロムと言う酸化物質が生成されます。

このアドレノクロムは、強い酸化作用を持ち、脳の神経細胞を傷つける原因になります。

アドレナリンが増加した状態が長く続いてしまうと、神経細胞の死滅や神経機能の低下して、精神状態の悪化にもつながっていきます。

ビタミンB1が体内で働くプロセスは非常に複雑ですが、代表的な経路に「クエン酸回路」があります。

クエン酸回路とは、細胞内のミトコンドリアで行われる代謝で、体に必要なエネルギーであるATPを生成するプロセスの中心的な役割を果たします。

ビタミンB1は、このクエン酸回路の中でチアミンピロリン酸(TPP)と言う活性型に変化し、酵素の働きを補助する重要な働きを担っています。

また、ビタミンB1はペントースリン酸経路と呼ばれる、もう一つのエネルギー代謝の経路でも必要になります。

この経路では、細胞の成長や修復に不可欠なNADPHという物質が生成されており、その生成過程においてもビタミンB1は深く関与しているのです。

ビタミンB1が、体内で活性型のチアミンピロリン酸(TPP)に変換するためには、マグネシウムが必要になります。

体内でマグネシウムが不足している状態では、たとえビタミンB1をしっかり摂取していても、その働きを十分に発揮することができません。

ある研究によると、ビタミンB1だけを補給しても効果が得られなかったケースがあり、マグネシウムとの併用摂取により神経症状が改善されたと報告されています。

この研究結果から、ビタミンB1とマグネシウムを「セット」として考える必要があり、どちらか一方だけでは効果が不十分である可能性があるため、日常の食事では意識して両方摂取するのが良いでしょう。

ビタミンB1が不足すると、エネルギーを生み出す酵素であるPDHの働きが低下し、ATPの生成が滞ります。

このエネルギーの不足は、脳や神経細胞の機能低下、集中力や精神の安定にも影響を及ぼします。

また、ATPが減少するとドーパミン代謝にも支障が出ます。

その結果、幻覚や妄想などの症状が現れる可能性もあります。

加えて、酸化ストレスによる神経細胞への影響も無視できません。

日々の食生活の中で、ビタミンB1とマグネシウムを意識的に取り入れることで神経の健康を守り、安定した心と体で毎日を過ごしましょう。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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