人類史上最も多い感染症とは?②その予防と治療法について
こんにちは。
今回は、前回お話しした「歯周病」の予防と治療療法についてお伝えしていきます。
歯周病は、日本人の約半数が罹患している国民病とも言える疾患です。
単に口の中の病気ではなく、心臓病や糖尿病など、全身の健康にも深く関わっています。
初期段階では、自覚症状がほとんどないため「歯肉炎」によって歯茎の炎症が起こり、最終的には歯が抜け落ちるなど、気づかないうちに重度になってしまうことがあります。
では、この歯周病を予防して、適切に治療するにはどうすれば良いのでしょうか?
歯周病予防の基本は、「プラークコントロール」です。
適切な歯磨きの頻度は1日2回以上で、特に就寝前の歯磨きがとても重要です。
磨き残しの多い歯と歯の間や、歯と歯肉の境目を意識して磨きましょう。
力を入れすぎず、小刻みに動かして行うのがポイントです。
デンタルフロスや歯間ブラシの使用も欠かせません。
歯ブラシだけでは、歯間部のプラークを完全に除去することはできないからです。
自分の歯間の幅に合ったものを選ぶようにしましょう。
2022年の歯科疾患実態調査によると、日本人のデンタルフロスや歯間ブラシの使用率はまだ低く、特に男性の使用率が低いのが現状です。
定期的な歯科検診も大切です。
最低でも年に1回、できれば半年に1回は受診するようにしましょう。
プロフェッショナル・クリーニングによる歯石除去や、早期発見・早期治療が重要です。
バランスの良い「食生活」としては、砂糖の過剰摂取は避けて、野菜や果物などの繊維質の食品を摂ることが大切です。
タンパク質・ビタミン・ミネラルをバランスよく摂取するようにしましょう。
そして、歯周病の最大のリスク因子のひとつが「喫煙」です。
禁煙することにより、歯周病のリスクは大幅に低下します。
歯周病の進行度によって、治療方法には様々なものがあります。
非外科的治療:
スケーリングで歯面や歯根面の歯垢・歯石を除去します。
ルートプレーニングでは、歯根面をなめらかにして細菌の再付着を防ぎます。
これらは、初期から中等度の歯周病に有効です。
外科的治療:
フラップ手術は、歯肉を切開して直接歯根面の清掃や骨の形態修正を行います。
歯周組織再生療法では、失われた歯周組織の再生を促す特殊な材料を使用します。
これらは、重度の歯周病に対して実施されます。
メンテナンスは、治療後の定期的な専門ケアのことで、再発防止のための最も重要なステップです。
このような従来の治療法に加えて、近年では栄養素やサプリメントなどの補助的なアプローチも注目されています。
その一つに、コエンザイムQ10(CoQ10)があります。
コエンザイムQ10は体内で合成されますが、加齢とともにその生産量は減少します。
20代をピークに、40代で約30%の減少、80代では約50%もコエンザイムQ10の生産量が減少すると言われています。
歯周病とコエンザイムQ10には、いくつかの重要な関連があります。
研究によれば、歯周病患者の歯肉組織では、コエンザイムQ10が不足していることが確認されています。
アメリカ歯科協会の調査によると、歯周病患者の歯茎の組織の約60〜96%が、コエンザイムQ10不足を示したというデータがあります。
また、還元型コエンザイムQ10には、強力な抗酸化作用があるため、歯周組織の炎症を抑制する可能性があります。
さらにコエンザイムQ10は、体のエネルギーの元となるATP産生を促進することで、損傷した組織の修復・再生を助ける可能性があります。
特にインプラント手術後の組織治癒・促進効果を示すとの臨床報告もあります。
コエンザイムQ10の歯周病への効果について、いくつかの重要な研究結果が報告されています。
一つは、コエンザイムQ10の摂取によって、唾液分泌が促進するというものです。
唾液は抗菌作用を持ち、口腔内を自浄するため歯周病予防に重要です。
カネカ社の臨床試験では、軽度から中程度の歯周病患者45名を対象に、2ヶ月間の還元型コエンザイムQ10を摂取する実験を行いました。
その結果、プラークの付着度合いや歯肉からの出血が有意に減少し、口臭も改善する傾向がみられました。
さらには、日本歯周病学会の研究発表で、コエンザイムQ10の抗炎症作用により歯肉の炎症を鎮める効果が示されています。
特に、歯肉炎指数・歯周ポケットの深さ(深さ4ミリ以上)の歯周ポケット数の減少が確認されました。
歯周病の標準治療とコエンザイムQ10を併用すると、治療効果が高まる可能性も示唆されており、これらの研究結果から、コエンザイムQ10は歯周病の予防や治療の補助的手段として期待できます。
ただし、コエンザイムQ10の歯周病への効果に関しては、あくまで適切な歯磨きや歯科治療の「補助」として位置付けられるべきでしょう。
歯周病の対策については、プラークコントロールとして適切な歯磨きや歯間ブラシ、定期的な歯科検診とクリーニングを受けることが最も重要です。
また、歯周病の予防には、禁煙やバランスの取れた食事、ストレス管理が欠かせません。
補助的アプローチとして、コエンザイムQ10などの抗酸化物質の活用は、歯周病治療のアプローチとして有効です。
歯周病は、非常に身近な疾患でありながら全身の健康にも深く関わる重要な問題です。
今回見てきたことを日常のケアに取り入れて、口腔と全身の健康を守っていきましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございます。

